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自衛隊パイロットの真木は、愛する息子のために退官を決意した。 だがスクランブル発進後に、謎の赤い発光体と空中衝突。おぼろげな意識の中で真木が見たのは、銀色の巨人だった。やがて真木は奇跡の生還を果たすものの、防衛庁の対バイオテロ組織に身柄を拘束されてしまう。そこで凶悪なビースト"ザ・ワン"と遭遇した真木は、殺戮を続ける"ザ・ワン"を前に、まぶしく輝く銀色の巨人へと変身し… |
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ゴジラFINALWARSに触れた時に 「リアルなんてクソ食らえ、対決でいいんだ対決で」という姿勢だと思ったけど、 この映画はまるでベクトルが逆でした。 「人がウルトラマンに本当になったとしたらどうなるか」 という映画です。 主演の別所哲也君の演ずる(ウルトラマンになっちゃう)真木舜一っていう元自衛隊員は、一児 の父親で、その子供も身体が弱く、除隊後は、父として夫としてまじめに働きたいだけなのに、 ウルトラマンになっちゃって、まるで脱走犯人みたいな扱いで国から追われるという、なんだか 痛々しくてかなわないわけですが。 ウルトラマンが「なりたくないのにウルトラマンになっちゃった人」であるのに対して、怪獣の側も やっぱり同じ。怪獣になっちゃうのは「有働」という人で、これも人間なんです。 演じているのは大澄賢也さん。あのダンサーの人です。 この映画は初代ウルトラマンの第一話をベースに再構成したんだそうで、なるほど、ウルトラマ ンになるきっかけは、宇宙から飛来した真赤な火球に遭遇したためです。 本家ウルトラマンだと怪獣べムラーを追ってきたウルトラマンが、ハヤタの乗る飛行機と事故を 起こして死亡させてしまい、ウルトラマンはハヤタと合体する事で地球に残ることにした。という 展開ですが、映画はこの辺から違って来ます。 そういうんじゃなくて、なんか衝突した後、光の中に入っていって、ウルトラマンと出会うんだけ ど、別に合体したとかしないとか、何も語られず、いきなり地上で蘇るんです。 もちろん、同じくもう一つの青い火球も飛来していて、それが怪獣なんですけど、大澄さん演ず る有働は、不幸にもそっちの火球と出会ってしまったために怪物「ザ・ワン」と化してしまうわけ ですね。 んで、怪物「ザ・ワン」を殺そうと女の人が追いかけ回します。 怪物になっちゃった有働君は、人間だったころは、それはそれはいい人で、幸せ最高潮の恋人 なんかもおりました。 実は「ザ・ワン」をブチ殺そうと執拗に追いまわすこの女がその恋人なんであります。 ――そして、「なりたくないのにウルトラマンになっちゃった人」真木くんが、「いい人だった のに怪獣になっちゃった人」有働君と戦うことになるんですな。 何ともまー、痛くてつらい、やりきれない展開が続くわけです… 見ながら思ったんだけど、これって子供は見てて楽しいの?と。 「かつて子供だった大人たちに」と言っているから、ターゲットはむしろ大人だと思うんだ。 大人向けのウルトラマンなんだから子供が面白いわけないわな。じゃあ大人向けだから、対象 になっている大人は面白いのかといわれれば「…それは微妙」。 子供の夢のためにパパがウルトラマンになって空を飛ぶ…ってのは悪くないとは思うんよ。 でもね、「子供の夢」って言っているけど、その「子供の夢」ってのが「自分の息子の夢」じゃない んだよな。 「自分が子供の頃の夢」…早い話「自分の夢」なんよ。 だからこう…一度も父親としては戦ってない感じなんだ。 ウルトラマンのデザインも、リアルを狙うあまり、なんつーかなあ、グロテスクなの。 外骨格の生物としてのデザインだからね。 そのくせ(予算の都合もあるんだろうと同情しつつ)ウルトラマンの着ぐるみの作りが甘くてさ。 アバラの辺りとかペラペラしてたり。とにかく地味なんだわ。 その地味なウルトラマンは、戦いもリアル志向で作るから、最初派手な技はないんよ。 見た目も地味で、戦いも地味、序盤は痛々しいばかりだったなー。 とにかくリアル志向で作ってるから。科学特捜隊とかそーゆーのも出てこない。替わりに自衛隊 とか、バイオ災害対策室とか、そーゆー連中が出てくる。 それがウルトラマンも怪獣も全部まとめて危険生物として抹殺しようとしてるわけ。 路線としては、デビルマンみたいなアンチヒーロー路線っつーかなあ。狙いはわかるんだけど… オレ思うんだけどさ、ウルトラマンでそれやる必要あったんかね。 敵の怪獣もさ、結局人間だから、倒していいのかどうなのか困っちゃう。もちろん倒さないとダメ だという感じに描かれてはいるんだけど、なーんか後味悪いんだわ。 せめて怪獣だけは、どーしても許せん極悪な感じにして欲しかったなあ。 なんかスカッとしたいのに、スカッとしないんだよ。 んでもって、今回のウルトラマンは、飛行シーンがフルCGです。 …これもなあ。別に板野サーカスやる必要なかったと思うんだよなあ。 なんか安く見えてしまうんだよ。もうちっと少なくていいから効果的に飛べると思うんだよな。 というわけで、むしろベクトルとしては、ウルトラマンこそリアル志向をかなぐり捨てて、徹底娯楽 路線で作るべきだった、もったいない映画だったと思いますた。 |
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