[PR]テレビ番組表
今夜の番組チェック




劇場版 仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼 【05年東映】

監督: 坂本太郎 脚本:井上敏樹
出演:細川茂樹 栩原楽人 渋江譲二 川口真五 松尾敏伸 松田賢二他
★★☆☆☆
あらすじ
時は戦国時代。 庶民は もののけ魔化魍による恐怖の支配下にいた。
現在の仮面ライダーたちの先祖にあたるライダーたちは、当時は “鬼” と
呼ばれ、人間を救うために魔化魍と戦うものの、庶民からは魔化魍同様、
恐れられる存在であった。 
そんな中、オロチという最強の魔化網に生贄を捧げ続けてきた村の少年
が、鬼の ひとりに助けを求める。 
オロチを倒すため、日本各地の仮面ライダー (鬼) たちが集結する。
えーとですね。
何て言うのかなあ。
時代劇の作劇には時代劇の文法っていうか、約束ごとがありましてね。
それは現代劇の文法とは明らかに違うわけですよ。

例えば、時代劇ではですね。明示する必要まではないけれど「いったいどの時代を舞台にして
いるか」といった程度のことは、設定されていないといけないわけですよ。
平安時代なのか室町なのか鎌倉なのか江戸なのか、あるいは明治初期なのか大正なのか。
全部描き方がそれぞれ違うわけですよ。
江戸にしても、元禄なのか寛政なのか天保なのか。それだって厳密には違うわけ。
例えば聖徳太子が、キリシタン狩りをしたらおかしいでしょ。

時代劇ではですね。
「その時代の匂いを殺さない」ってのが最低限の約束事なんですよ。
そのために皆さん、その時代の生活ぶりを盛り込んだりですね、苦労してるんですね。

ところがこの映画ではですね。
どうも何も考えてないようなんですね。
確信犯かも知れないけど。みんな結局、時代劇風の風景の中で着物を着ているってだけで、そ
の時代で生活している感じがしないんですよ。
まず出てくる連中、マゲを結ってる奴がほとんど皆無ですな。
チョンマゲは格好悪いからということでしょうかね。
おまけにどいつもこいつもノースリーブで、何かしらの金属アクセサリー付けてるんですよ。
何なんでしょうこれは。
放っといたら町の皆さんがこぞって「パケット定額だから」とか言いつつ携帯電話でメール打ちそ
うな勢いでしたよ。

第一、風景は農村か漁村風なのに農民も漁民もひとりもいないのはどういうわけだ。
もし農村なら、家の周りに農具がない。鍬ひとつないのは?。
もし漁村なら、海辺に漁船一隻、釣り竿一本、網一枚ないのは?。
これはいったいどういうことだ。
こいつら何を生活の糧にして生きてるんだ。

どうやら設定を読むと、時代は戦国時代らしい。とすると安土桃山か。
だとすると更にひっかかる点がある。
威吹鬼は時の大名として登場するんだが、
こいつ、超高層の城の天守閣で、女をはべらしてバカ殿様みたいな大名遊び。
当時は国内で年中陣取り合戦。早い話が年中戦争状態で国状は混乱期だった。
領主であるところの大名の立場は、いつ寝首をかかれてもおかしくない緊張した感じだったわけ
で、こんな余裕はなかったはずだ。
つまり戦国時代を舞台にしていると言いながら、戦国時代を書く気はさらさらないわけだな。
まあ、百歩譲ってそれはいいよ。テーマが違うんだから、その辺はサラッと流したって仕方ない
かもだ。

(結局その「バカ殿様」の方が時代劇的にマトモな作りになってるってのが何ともなあ)

しかし、ウリであるはずの「ご当地ライダー」が適当なのは頂けない。
確かにご当地ライダーは出てきた。いっぱい出てきた。
確かに出てきたんだが、肝心の「ご当地」が出てこないのは遺憾である。
九州ライダーと、大阪ライダーと、名古屋ライダーと、北海道ライダーですか?
【あれ?これってみんな野球チームか?おいおい、だとしたら横浜ライダーや、仙台ライダーは
仕方ないとして、広島ライダーがなぜいないんだよ。】
尺の都合もあるから、別に響鬼たちに全国行脚しろとは言わないけど、少しくらい「ご当地」を感
じさせる場面を画面に出して欲しかったなあ。
ディスクアニマルを、伝書鳩よろしく全国に飛ばすとかさー。方法はあったろーに。
北海道ライダーと言いながら、雪山ひとつ出てこない。九州のライダーっつーなら阿蘇山で修行
しててもいいじゃん。名古屋ライダーは名古屋城バックに登場したっていいじゃん。なんで全員、
明日夢の近所でうろうろしてんの?
ストーリー的にもさ。ご当地ライダー必要なかったし(7人掛かりでないと勝てない強敵って設定
かと思ったら、別に響鬼一人で勝っちゃったし)。

敵の摩訶魍もさ、よく考えると倒さなくても良かったような気がするなあ。
生贄を捧げないと大変なことになるとか言ってたけどさ。結局別に大変なことになってなかった
よ?
摩訶魍を怒らせたら、翌年大寒波になって作物が全滅するとか、大津波が来るとか、周辺に摩
訶魍が大勢涌いて出るとか、地震が起こるとか、そんなんなったら大変だけど、生贄捧げなくて
も、その間別に何にも起こらなかったよ。
何ともないなら放っとけばいいんだよ。怒りを静める必要ないんだよ。バカじゃねーのか。と思い
ますた。
単に、浅瀬で泳いでる大魚ってだけじゃんか。でかいってだけ。クジラと変わらん。
なんで浅瀬にいるの?なんで沖に出ないんだ。このバカモーは。
だいたいなんで人間食う必要があるんだ?腹減ってるなら沖に出て魚食えばいいのに。
百歩譲って「海神様」みたいな存在で、人間を監視してるってことにしようか。
だとしても、嵐ひとつ起こせない神様なんぞ、たいしたことないよなあ。

あと、出てきただけで別に乗り込むでもなく、中の様子が出てくるでもなく、結局単なる風景で終
わっちゃった鬼ヶ島みたいな島とかさー。
戦国時代なのにセリフがアレなこととか(まー狙ってわざとやってるんだろうけど)
「ダイエットしてもリバウンドするんだぜ」とか「ラジャー」とか、助けられた響鬼が「Thank you」と
か言ってんのはなあ。きりがないから無視したけどさ。

まーアレよ。
これって結局、タケシで見つけた古文書を明日夢が読んでるだけだからね。実際に起こった風
景とはまるで違うんだろうと思うわけ。
古文書ってさ。なんやかんやで文章が圧倒的に少ないから。詳しい内容までは書いてない。
書いてない部分については行間を空想で脳内補完するしかないわけでね。
結局補完する際に明日夢が誤変換してるんだと思うわけですよ。
そう考えないと、もう突っ込む所満載過ぎてさ。追いつかんのですわ。
時代劇みたいな映画だけど、これは時代劇みたいなファンタジー。そういうこと。

あー。最後に井上敏樹君にひとつだけ言っておきたい。

時代劇をなめるな。


先頭
前頁